Hotori Title 2

Vol. 43

98.04.01 (Wed)



 朝、琵琶湖博物館へ車を走らせている途中、赤信号で止まったら、横断歩道を初々しいスーツ姿の一団が通り過ぎた。いかにも新社会人という感じ。そういえば、今日は4月1日。新しい旅立ちの、新しい年度の始まりだ。

 と巷の光景を見かけて思うものの、私自身は昨日があって今日があって明日があって、という状態で気分一新も何も無い(^_^;)。おまけに天気は久しぶりに雨模様で、爽やかに新年度と言うよりは、気分の重いただの鬱陶しい日....


外は雨....
暖かい日が続いていたのに、今日は冷たい雨。
 なんていう私の思いとは別に、琵琶湖博物館も新年度を迎え、学芸員の人たちの昇進や担当の変更などがあったようである。そして何人かの学芸員や職員の方が博物館を去っていった。別に琵琶湖博物館に勤務しているわけではないけど、お世話になった人が、もう博物館にいないのは何となく寂しいものがある。

 そしてインストラクターの人たちも3分の1近くの人が辞められた。ある意味、私にとっては一番身近に感じる「異動」かもしれない(^_^;)。そして新たに9人の人たちがやってきて....るはずなのだが、全然見かけない。聞いてみると、まだ研修中らしく、実際に業務につくのは数週間先だという。去年は確か3月に研修中の人たちと会ったような気がするんだがなぁ(→Vol.21参照)と思うのだが、色々とその辺は事情があるのだろう。

 ともかくしばらくは通常の3分の2の人数で、いつも通りの業務をこなさなければならないという厳しさのようだ。かといって、来館者数が冬場のように少ないわけでなく、むしろ今日なんかは子供たちで賑わってるなぁ、という印象だっただけに、インストラクターのみんなも辛いだろう。がんばって欲しい(^^)/


レストランも混雑
雨模様なのに来館者は多く、昼をかなりまわってもレストランには行列が。
 4月1日と言えば、春休み真っ只中ということもあって、前述のように館内は子供たちで非常に賑わっていた。このところ暖かくなってからは博物館への人出も結構回復してきて良い感じだったのだが、いっそう今日は多かった。久しぶりに「活気があるなぁ」なんていう感じ。ま、博物館に「活気がある」ってのも変だけどね。

 子供たちが多いといっても、春秋の遠足シーズンにあるような学校団体が多いというわけではなく、家族連れがほとんど。学校団体だと集団心理が働くのか、子供たちも無茶苦茶しがちというか、活気というよりはうるさい・けたたましいの部類に入るのだが、こういった家族連れが多い場合は、ホント良い感じの喧騒さである。

 この違いは体感してみないと分からないかもしれないが、ずいぶんと違う。いまどきの親は子供に甘いとかいうものの、やっぱり親子で来ている限り、子供たちのはしゃぎ様、騒ぎ様もそれなりに限度があるようで、やっぱり遠足なんかだと先生が抑え切れてないようだ(抑えるつもりの無い先生もいるようだが)と感じざるを得ない。このへん、いわゆる今話題の「子供がキレる」問題も、学校問題として捉えるだけではいけないのだろうなぁ、なんて思ったりする。


フロアートーク
フロアートークにも子供たちが多く集まっていた。
 学校団体の子供たちを見ても「うるさいなぁ」と思うだけなのだが、こういう家族連れの子供たちを見るとホント微笑ましい。学術施設?という面から博物館を見れば、じっくり見て学べるべく、ある程度来館者や子供の少ない静かな環境も良いのだろうが、公共の文化施設としてやっぱり博物館もある程度活気があるこういう風景が良いよなぁ、なんて思ったりする。うるさすぎるのは別として、こういう雰囲気としての楽しさがあると、来ている人も自然と楽しく感じられるのではないかな?

 それはインストラクターも同じらしく、「このくらいの来館者数が一番良いですよ。多いのはもちろん、少なすぎても仕事がしづらくて」なんて話も聞いた。来館者が多くても団体ではなく、こういう個人のお客さんが多いほうが、なにかとやりやすいらしい。思わず納得。

 ほとんど休日には琵琶湖博物館に行くことのない私なだけに、やっぱ日曜とかはこんな雰囲気なんだろうな〜と思うが、それをインストラクターに言ったところ「日曜日はもっと人が多いですよ!」と言われてしまった。先週の日曜なんかは6千人!も来たらしい。もうすぐ開館して1年半、まだまだ多くの人が来るんだなぁ、と思う。

 琵琶湖博物館の広報誌「うみんど」の最新号には、昨年調査した来館者の分析が載っていて、リピーターが徐々に増えているという話があったが、今じゃ来館者のかなりの割合がリピーターなんじゃないだろうか?言っちゃ悪いが、未だにお初の人がぞくぞく来るほど滋賀県に人がいるのか?(笑) もちろん、他府県から来てるにしても、だ。

 大津PARCOにしても、最近できたOPAにしても、はっきり言って人はそんなに入ってない(浜大津OPAの場合、OPAと認めたくないほどイマイチなものだと思うが)。いつ潰れるのかなぁ〜なんてマジで思うくらいだ。それから考えると、琵琶湖博物館ってコンスタントに人が来ていると思う。料金その他のこともあるのだろうけど、こうやって家族連れが楽しんでいるのを見ると、やっぱりコンセプトが良かったんだろうな、って思う。

 開館の頃もらったパンフレットの館内案内図のところに、こうある。

「遊ぶ 触れる 感じる」

 このコンセプトが十分に来館者に伝わっているのだろう、そんな気がする。


ディスカバリールーム
子供たちの殿堂?ディスカバリー・ルームはもちろん子供たちでいっぱい。入場制限もしていました。
 いつしか外はかなりの雨が降っていて、博物館からの素晴らしい景観は望めない。でも館内の雰囲気はすごく良い。いつもなら外の天気に左右される私の気持ちも暖かいものになったような気がする。







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