Hotori Title 2

Vol. 52

98.08.27 (Thu.)



入室制限中
ディスカバリールーム、入室制限中。夏休みも終わりなのに子供たちは多く来館していた。
 この夏を象徴するかのような天気で、再び夕立が来るのが免れそうにない今日。もう夏休みも残りわずか。一部の優等生や開き直っている子どもを除けば、学校の自由研究や宿題に追われる頃である。午前中、図書室奥の質問コーナーあたりには、母親とともに来館した子供たちが学芸員さんに相談する姿が何組も見られた。「朝、お電話しました○○ですが....」と心配そうな顔でたずねてくる母親に、意外と無邪気な子どもの組み合わせを見ると、なんとなく今時の親子を象徴しているようで面白い。

 実際にどういう感じで質問していたりアドバイスされているのかは知らないけれど、この時期宿題をしてなくても開き直っていて遊んでいた私なんぞからみれば、子供たちも偉いな〜なんて思ってしまう。なんていったって、宿題や自由研究の資料を探しに図書館に行くところまではあったような気がするが、博物館などに相談しに行くなんて考えたことすらなかったと思う。そんなせいか、今になって改めて新聞の記事などを見てみると、この時期には各地の博物館や資料館、大小問わず色々なところで子供向けの宿題相談受け付けイベントをやっていることを発見する。う〜む、勉強が嫌いな人間だったとはいえ、ホントに何も知らないで過ごしていたんだなぁ、と過去を振り返ってしまう。

 それにしても(チラッと見ただけだが)子供たちがあまり積極的に口を開いてないのか、なんとなく学芸員さんも大変そうであった。それでなくても子ども相手ってのは大変だろうしね。それでもこういう風景を見ていると、これが博物館の1つの姿なんだろうな、と思う。

 そんなふうに夏休みの宿題に追われているだろうから、そろそろ来館する子供たちの数も減っているようではある。それでも午後からは一時、ディスカバリー・ルーム(子供たちが遊びながら学べるところ)が入場制限するほどであった。仕切ってるインストラクターの人たちも大変だが、夏休みもあと数日なのでがんばってね。

 さて、その質問コーナーのある図書室からホール側へ出てくると、水族展示室からの通路の天井に何やら幕みたいなものがかかっている。あんなの前からあったっけ?と思いつつ、さほど気にも留めずにやり過ごしていた。その後しばらくして博物館で働いているKさんに会ったところ、「企画展の案内をSide-Bに載せてくれない?」なんて言われて「企画展終了までもう1ヶ月もないのに....」といぶかしげに思ってると、話は次の企画展のことらしい。

 まだ今の企画展も終わってないのに次の企画展....次の企画展といえば来年の1月からなのに気の早いというか、あまりに早すぎるというか。なんか琵琶湖博物館にしてはえらく手際が良い(良すぎる?)ので、思わず苦笑してしまうくらいだ(関係各位の皆様、すいませんm(..)m)。チラシもできていると聞いて、これまたビックリ。でも担当がT学芸員と聞いて、納得してしまう私(^_^;)。次の企画展は『絶滅と進化、動物化石が語る東アジア500万年』と題して、ゾウを始めとする化石がテーマになるようだ。


次回企画展プレ展示
まだトンボの企画展を開催中なのに、次回企画展『絶滅と進化、動物化石が語る東アジア500万年』のプレ展示が。
 そんなこんなで驚いていると、Kさんから「プレ展示もしてあったでしょ?」と言われるが、そんなものを見た記憶がない。「図書館横にしてある」と言われても、全く分からない。で、よくよく聞いてみると、さっき通りすがりに見えた水族展示室からの通路の天井にかかっていた天幕がそうらしい。う〜ん、全然気づかなかった(^_^;;)

 あとでその水族展示室からアトリウムに戻ってくる通路に行ってみると、壁に何枚か次の企画展の告知の垂れ幕が、そして天井にはゾウの絵の描かれた天幕が掲げられている。見てみると天幕の方はなかなか良い感じで、できればこれが3〜4枚連続してあると、それこそ「企画展プレ展示」で良い感じになるんだろうなぁ、という気がする。結構良い空間利用だ。壁の色がグレーなので、白い幕なのも悪くない。

 ただ惜しむらくは博物館の見学ルートの一番最後であること。写真を撮る間に十数人が通り過ぎていったが、大人の人たちは疲れたのか、ほとんど見向きもされていなかった。通路が若干上り坂になっているところなので、本来顔を上げて通ってると目に付きやすい位置にあると思うのだが、疲れて(?)顔がうつむき加減で通っていく人が多いことに気づく。逆に子供たちはまだまだ元気なせいか、そこで立ち止まって上を見つめている子どもが多かった。今回のトンボの企画展でもそうだが、馴染みのある生き物に対しては良く反応するみたいだ。

 このプレ展示、ここにとどまらず、次は化石の展示のあるA展示室でも行うらしい。とにかく開催期間が来年の1月からと言うことで博物館では一番人の来ない閑散期に行われるため、いち早く周知しておこうという目論見とのこと。確かにどれだけ良い展示をしても知られなければ意味がないわけだし、今のトンボの企画展が終了後、また4ヶ月ほど企画展がない状態が続くので、そういうのは素晴らしいと思う(民間なら当然のことかもしれないけど)。

 まぁ、個人的には今回の企画展プレ展示のような通路を使う発想、余剰空間を生かす発想はすごく良いな、と感じる。特に展示室内で何かを追加するという形でなく、もともと何もないところに置けば、割と目立つしね。なんていうかA,B,C,水族と分かれた展示室だけでなく、「実は全館どこでもが展示室」なんていう発想なんてのも良いんではない?と思ったり。大掛かりな企画展示だけじゃなくて、ちょっとした発表みたいなのを、そういった余剰空間で随時展開してみるのも面白いのではないかな?と気づかされた次第。

 ともあれ、半年近く前から告知を始めている次回企画展には、大いに期待を抱かされた感じ。あ、でもなんかまた企画展に入ったらトンネル状になっていて、中央にゾウの化石がドーンと置いてある、ってな展示は(個人的には)嫌かも....それじゃあA展示室とかと一緒だし。なんとなく違う形で、おぉと思わせてくれるならワクワクする(^_^)。問題はその展示を私自身が見ることができるのか?ってことなんだけど....(謎)


またまた雷雨が...
またまた嫌な天気
 そんなプレ展示を見ていると、朝から怪しげだった天気は再び雷雨となった。今日は停電もなかったが、嫌な天気が続く。今年の夏は夏じゃなかった気がしてならない。台風も近づいているというし、集中豪雨も発生しているというし、もう季節は秋なのかもしれない。

 そんな夕立を博物館で何回か経験したせいか、非常に気になることもある。アトリウム(メインのホール)の照明が非常に暗いのだ。外が明るいときは良い感じなのだが、こういった天気のときには、停電しているのかと思うくらい暗い。良い意味での暗さではなく、明らかに印象が悪い。なんとなく不安感を与えるような暗さのような気がするのだが....と思う天候不順の今年の夏だったのでした。







戻る Vol.51へ Vol.53へ トップページへ




All right reserved 1998 by だぶる☆えっち