Hotori Title 2

Vol. 41

98.02.25 (Wed)



 年度末に向けて、どんどん仕事が忙しくなる。そしてもう春が近いんだな、と思わせる日々が続く。スキーに行きたくてもスキー場から雪がなくなっていく(う〜ん)。そして私の花粉症も酷くなる(涙)。春は嫌いだ。

博物館探検
館内でふと出くわした博物館探検御一行様
 先日、とある事情で久しぶりに館内を一通り見て回ることがあった。いつもは琵琶湖博物館にきても、そうそう“展示を見る”ってなことはできない(ホントホント)。そのため用事をこなしながらではあるものの、改めて一通り見たことで、まだまだ知らなかったことを発見していたりする。

 ま、以前からそういうことは多くて、そういった点も含めて琵琶湖博物館の色々な面を紹介したいと思っているのだが、なかなかまとまった時間が取れない。いや、考えはあって写真などの資料も揃えているのだが、文章を書くのが億劫になっていたりする(^_^;)し、なかには「観光船搭乗記」みたいに半年以上も経って文章を書き上げたものの、肝心の観光船が全部高速船になって、内容が現在とマッチしなくなってお蔵入りしたものもある。

 さて、学芸員さんが「コンピューターが動かな〜い」っていうのをハンドパワーで(笑)直しながら館内(といっても一般来館者の入れないところ)を歩いていると、ふとよくわからない集団に出くわした。Y学芸員が先導して何やら解説している。なんだろ?と思って別の学芸員さんに聞いてみると「博物館探検」なる企画だという。

 この「博物館探検」、たまにしか行われていないが、一般来館では見られない博物館の裏の部分を見せようというものである。今回の博物館探検は『歴史展示の舞台裏』と題して、主に地下収蔵庫の案内だそうだ。地下収蔵庫は私もほとんど入ったことがない(用事がないんだから当然だ)。昔1〜2度行ったときの印象は、広くて天井の高い通路がず〜〜〜っとつづいているという漠然としたものである。おまけに各収蔵庫の中には入ったことがない。興味津々である。

 なんか参加するのは気が引けるけど、地下収蔵庫の興味には勝てず「とりあえず用事は全て片付いているし....」などと自分に言い訳しながら、途中からついて行くことにした(^_^;)。


保管されている船
収蔵庫の中には様々なものが保管されています。このような船は何種類もありました。
 「博物館探検」のツアー(?)そのものはセミナー室集合解散であるのだが、そういう事情もあり、私がツアーの後を追って地下へ降りていくと、一向はすでにトラックヤードの解説を受けていた。ちょっとした船など大きな資料をトラックで運び入れるためのものである。大きな百貨店の地下搬入口くらいの大きさはあるし、なによりもこの地下部分は天井が高い。

 そしてそのトラックヤードの向かいにある歴史収蔵庫2を見学。中はとにかく広くて高い。奥には小さな資料を並べておくラックがずらっと並んでいて、それがさらに中2階も含めた2階構成になっている。昔の船(実物ね)やB展示室の目玉である丸子船のモックアップ模型も置いてある。

 その後、収蔵庫に入れる前に運び込まれた資料に付着している虫などを殺虫殺菌するための部屋(24時間ほど監禁殺虫されるらしい)などを見学しつつ、でかい扉を開けて各種収蔵庫が並んでいる廊下へ。広い広い廊下で天井が高い。私の地下収蔵庫の印象は、これである。なんとなく映画で見るような地下金庫へ向かうような印象なのだ(^_^;)。

 話に依れば、これら収蔵庫は貴重な資料を守るため防火扉であり、何度の火災にたいして何十分耐えられるとかいうものに守られている。で、消火設備もスプリンクラーではないのだ。スプリンクラーでは大切な資料が水に濡れてだいなしになってしまうわけで、こういうところでは二酸化炭素を排出し、酸素を排除して鎮火させるような消火方法を取っているそうである。もちろん、そんなところにいたら人間は死ぬわけで「サイレンがなったら至急待避してください」みたいな警告があちらこちらにある。う〜ん、緊張感あるかも?

 また、動植物の資料はもとより、木材その他の資料も湿度や温度には敏感なので、完全空調がなされているのはもちろん、その空調の空気を収蔵庫に直接送風せずに隣の部屋に送り込み、そこから格子などを通して収蔵庫が自然に空調されるようになってるとのこと。お金かかってるな〜と思うと同時に、そういった昔の資料を守るための努力ってのは大変なんだなと痛感。

 こういうのって、ニュースの特集とかTV番組でちょこっと話を聞いた覚えもあるのだが、実際に目で見て解説されると、その大変さというか資料を守るために必要な努力ってのが体感できる。話を聞くだけでは、自分のものとして感じ取れないもんね。


特別収蔵庫
通路より特別収蔵庫を見る。手前が前室。壁も床も木造である。
 その後、こういった収蔵庫から企画展示室や各常設展示室へ大きな資料を運び込むためのエレベーターなどの説明もあったが、極め付けは特別収蔵庫。なんでもここはスーパー・スペシャル・ゴージャス&スィートな収蔵庫らしい。資料価値がピカイチのものを超大切に保存するためにあるらしく、防火扉も他の収蔵庫よりランクが上で、廊下から収蔵庫の間に前室はあるし、その前室も含めて壁も床も扉も何もかも全て木でできている。すごい!

 ただ、ここはまだ使用されていない。完成してから実際に供用できるまで色々とやることがあったり基準を満たしたというお墨付きも必要であるらしいのだ。そのためか、前室までは入室させてもらい、奥のスペシャルな収蔵庫を間近で見ることができた。いや〜ホント贅沢(そうな)収蔵庫ではある!

 地下部分でも1時間ほどの説明があったため、あとの施設は簡単に紹介されながら、再び1階へと戻ってきた。一向は再びセミナー室へ向かったが、私の方はそんなに悠長にしているのもなんなので、そこでお別れであった。

 というわけで、ちょっとした地下探検。いつも見れないところを見ることができたり、また資料保存に対する大変さも垣間見た気がする。

 この内容も本当はこんなエッセイにとどめず別途まとめておいておきたいのだが、たぶんそんなことを考えているうちに細かいことは忘れて書くこともできなくなるだろう(^_^;)。っていうか、こういう内容は本来、公式ページにあったほうが良いと思うんだけどね....


歴史収蔵庫
歴史収蔵庫。写真で見るよりずっと広く感じます(実際広い)。
 後で聞いた話によると今回の「博物館探検」も事前予約による希望者はたった1人だったそうだ。30人募集だったのに。そこで当日来館した人に呼びかけて今回の人数(15人くらい?)になったとのこと。う〜ん、それは少し寂しい。まぁ、敢えて予約して構えて行くようなものでもないと思うが、もうちょっと集まっても良いような気がする。いつもはどれくらいの人数なのか知らないが、「博物館行こうかな〜?あ、この日なんかやってるぞ。どれどれ博物館探検?どんなんだろ?ふ〜ん、面白そうだから行ってみるか」という経緯になるようなものが、今はない。

 公式ページについては、まぁ昔書いたような色々難しい面があるのだろうけど、今の各種イベントの紹介はあまりにも簡素すぎる気がする。ちょっとこの辺は何とかしたほうが良いのではないか....って、他人事ではないわな>自分(^_^;;)

 ま、とりあえず4〜5月頃に公式ページの方がリニューアルらしい(^_^;)ので、それに合わせてこのSide-Bも全面リニューアルをしようと思っています。仕事のスケジュールとの兼ね合いもありますが、いわゆる一般的な案内に関しては公式ページに任せ、こちらはトピックス的な案内と琵琶湖博物館をさらによく知ってもらうための各種紹介記事などを中心に構成し直す予定です(たぶん)。

 そして博物館開館1年半が経った今、このSide-Bのテーマとしては、こう言いたい。


もっと琵琶湖博物館!






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