Hotori Title 2

Vol. 40

98.02.18,19 (Wed,Thu)



冬晴れ
博物館2階から。先週とは一転して冬晴れという感じ。でもこんな天気の良い日に来た人はラッキー
 いやぁ、インストラクターの皆さん、ホントにごめんなさい。私がみなさんを見くびっていました。“大丈夫なんかなぁ”なんて思っていた自分が恥ずかしいです。何様のつもりだったんでしょう、私は。ってな感じである(^_^;;)。いや「インストラクターと語ろう」のことなんですけどね。

 前回以降にさらに3回、都合5回ほど「インストラクターと語ろう」を聞く機会があった。ま、常にじっくり聞けるわけでもなく、それにあまり行ってると“何してるんや、こいつは”ってことになるのだが(笑)、博物館に赴いている日には、ついつい気になってちょっとでも余裕があれば身に行ってしまうのだ(^_^;)。

 で、やっぱりみんなうまいわ。などと、あまり「うまい、うまい」というと知らない人には誤解される恐れもあるので言っておくと、別に巷のショーなどでナレーターコンパニオンが展示の解説や宣伝をするようなアレほどうまいわけではない。話し方の発声の仕方も素人だし、全く澱みなく話が進行するわけでもない。


インストラクターと語ろう3
場所柄、大勢の人を集めていたA展示室入口でのNさんの「インストラクターと語ろう」
 でも、前回の最後に書いたように、やっぱ手作りの味とあるというのかな、みんな自分のものにしている、というか、自分のものにしようとしているという感じが如実に表れている。ショーのナレーターコンパニオンが台本を完全暗記して、とにかく宣伝文句をテープのごとく喋っているわけでもなければ、Q&A集を頭に叩き込んでお客さんの質問に答え、Q&A集にないのは専門の人に振っているわけでもない。質問は全て自分で答えるために、自分で勉強している。

 この企画の話が持ちあがって以降、図書カウンターの担当になったインストラクターが図書室の本を広げて勉強している姿をよく目にしている。ま、ホントはいけないことらしいのだが、情報利用室の利用者はほとんど皆無に近い状態だし、図書館の方も遠足時みたいにインストラクターが注意するような状況でもないしね。あ、時々は情報利用室のコンピューターの様子も見てやって欲しいと思うけど(笑)

 その他にも自分たちで色々勉強しているという話は聞いたことがある。ま、そこまで事情に詳しいわけでもないけど、聞いた話、見ている感じから、ホント勉強しているなぁ、という気はしていた。こういっちゃ、ホント失礼なんだけど、みんな真面目なんだなってね。


インストラクターと語ろう4
来館者とコミュニケーションを取りながらの説明が印象的だったKさんの「インストラクターと語ろう」
 以前少し書いた記憶があるけど、開館から1年が過ぎ、殺人的な来館者の数もすっかり落ち着き、日によってはがら空きの日も出てきたせいか、インストラクターのみんなにも余裕と言うよりは緊張感の無さを感じさせる場面が多くなってきていた。まぁ、それは仕方ないと言えば仕方ないんだけど、接客業という視点からすれば、ちょっとねぇ....と思える光景に出くわしたことがある。

 そういう思いがあったからこそ、今回の「インストラクターと語ろう」は予想以上だったし、“最初からなかなか良いね”と思えたのは、結構嬉しいことだったりする。なんか、私が喜ぶのも変だけどね(笑)。

 まだ全員が行ってないということだし、私自身、全員の話を聞けることができるなんていつのことか分からない。だから全体としての評価なんかできはしないけど、でもやっぱり聞いた限りのものが良かっただけでも、なんとなく嬉しいんだよね。琵琶湖博物館の人間ではないけれど、琵琶湖博物館が好きな一人として。

 A展示室の入口、岩石のところで各種岩石について解説を行ったNさんは、レジュメもなしに各種岩石の解説をしていた。あれだけの内容を解説するのは、かなり勉強したんだな、と思わせるものだった。結構余裕があるように見えたしね。タイミングと場所的なこともあって多くの人が聞き入っていて、私は遠くから眺めるくらいだった(^_^;)。

 KさんがトークしたC展示室入口の「空から見た琵琶湖」のところは、場所柄、来館者が何かの話に聞き入るというところではないこともあって人数は少な目だったが、その分来館者と色々と話しながら解説するというスタイルで、「インストラクターと語ろう」というコンセプトに合致したものだったように思う。最初は緊張気味だったけど、来館者と話しはじめてからはリラックスした感じで、その辺はいつもの業務で培ったものなんだろう。


インストラクターと語ろう5
Aさんにとってホタルダスはライフワークみたいなものだからお手のものだったでしょう(^^)
 ホタルダスでのトーク2人目となったAさんは、ホタルダスの調査を精力的にやっていたこともあって安心してみられるものだった。元々「話しのプロ」だったこともあって、その辺は本人の「緊張するわ〜」の弁と違って非常に流暢なものだった。

 インストラクター各人が各々の担当について各々のやり方で解説する。やっぱり良いよね。琵琶湖博物館にすごくマッチする気がする。“慣れ”の問題かもしれないけど、琵琶湖博物館のインストラクターが「コンパニオン」で、展示室でマイク持ってマニュアル通りの説明を流暢にしているだけだったとしたら“なんかちが〜う”と違和感を覚えてしまうだろう。

 良い意味での手作りの味。それが琵琶湖博物館には似合う。

 あるインストラクターの女の子が言っていた。「昔、別の博物館でプランクトンの展示があっても全然興味なかった自分が、今こうやってプランクトンの勉強しているのがなんか不思議」

 その言葉が今の時代、なんとなく貴重に思えた。

 別のインストラクターが図書カウンターでレジュメをまとめていた。「インストラクターと語ろう、もうやった?」と聞くと「来週やから、もう必死に勉強してるとこ」。

 がんばってね。きっとうまくできるって。

 ホント、今はそう思う。

 私が以前からフロアートークを強力に推すのは、あまり(展示内容が)変化しない博物館の中で、唯一毎日変化するものだからだった。企画展というものはあるにせよ、それもたびたび変わるものでもない。ましてや常設展示の内容はそう変化しないし、しようもない。琵琶湖博物館自体、一度来たくらいでは全てを見きれるものでもないけど、だからといって前回と同じものをそうそう見に来る気にならないというのも事実。

 その部分をほんの少しでも打破できる可能性を持ったものだと思っているからこそ、そして他の博物館にはなかなかない特徴として、フロアートークを推していた。そして「インストラクターと語ろう」もそう。

 どれだけの人がフロアートークや「インストラクターと語ろう」の話を覚えていてくれるのかは分からない。ましてや、それを目的に来てくれる人なんているのかどうか分からない。でもそれらを聞いた人たちは、琵琶湖博物館に行った時の記憶として、フロアートークや「インストラクターと語ろう」があったことを覚えてくれていると思う。なかには、その時聞いた内容を誰かに話す機会を持つ人もいるはずだと思う。

 そしてきっと、フロアートークや「インストラクターと語ろう」のファン(?)になる人もいて、今度また琵琶湖博物館に行くときには、それらを聞きに行こうと思う人も出てくると思う。

 だって、最初の一人が、ここにいるのだから(^-^)







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