Hotori Title 2

Vol. 39

98.2.13 (Fri)



 コートなんて全く不要!そんなポカポカ陽気である。テレビの天気ニュースでは4月上旬並みの暖かさだという。2月も半ば。そろそろ春の足音が聞こえてきたような気がする。もっとも花粉症の私には何よりも、眼がかゆくなって鼻の調子も悪くなってくることで本当に春を実感する(^_^;)

 琵琶湖博物館の色々な催し物の中でも学芸員によるフロアートークについては、個人的に以前から強力にプッシュしている(つもり)。そして、さらにフロアートークにプラスして新たな企画が始まった。今回はそれを取り上げたいと思います(以前から知っていたのだけど、ようやく始まったので書くことができる :-)。

 さて、その新しい企画ってのは、

インストラクターと語ろう

である。いやぁ、インストラクターの女の子と楽しくお茶できるなんて最高の企画ですねぇ....って、違うっつーの(^_^;;;)。いや〜そんな楽しいものなら、私が毎日行くってば(爆)

 話をまじめに戻すと、この「インストラクターと語ろう」、基本的にはインストラクターによるフロアートークである。学芸員の方々がフロアートークで自分の専門分野や関連分野について様々な話題を来館者に話すのと同じく、各インストラクターが自分の興味ある分野について、来館者に説明する企画である。

春近し?
まるで春霞。ポカポカ陽気とあいまって春が近いことを感じさせてくれます。
 ま、フロアートークと同じようなものだけど、「フロアートーク」ではなく敢えて「語ろう」と名づけたのは、聞くところによれば、学芸員が来館者に説明するという一方通行的なイメージのフロアートークよりも、もっと来館者の方と気軽に話しながら説明をしていくというコンセプトに基づくためらしい。

 もちろんフロアートークも最後に来館者からの質問を気軽に受け付けてくれるわけで、そうそう大きな違いはないのだが、インストラクターという立場から、お客さんのとのコミュニケーションを重視したいとの話だ。とはいえ、どちらかと逃げ腰になりがちの来館者とコミュニケーションしながら説明する、というのは難しい命題だと思う。逆に言えば非常にすばらしいコンセプトだと思うけどね。

 ちなみに「インストラクターと語ろう」は、基本的に平日1時15分頃と3時頃の2回、一人ずつの開催となっている。平日のみという点ではフロアートークと一緒である。ま、休日はお客さんも多いので、誘導・案内業務などを考えたら、休日に行うのはなかなか難しいのも理解できる(フロアートークは休日にやっても良いと思うんだけどねぇ)。

 また、1時15分と3時ごろに一人ずつ、つまり1日2回のみ、というのはインストラクターが30名もいるのに比べると、ちょっと少ないなぁと思うのだが、この企画がまだテスト段階であるかららしい。ま、こちらもインストラクターの本来の業務との兼ね合いがあるわけで、そうそう1日に大勢ができるわけでもないみたいだが、せめて午前中に1回くらいやると良いのでは、と思う。


インストラクターと語ろう1
パネルを使って説明するインストラクターNさん。来館者も熱心に聞いていました。
 そんな「インストラクターと語ろう」、この10日から始まって、休日や休館日をはさんだために今日が2日目らしい。今日はちょっと見る余裕もあったので覗いてみることにした。

 まず午後1時15分の方は、A展示室最後の研究室を模したところあたりで開催、テーマは「足跡化石」についてである。フロアートークと同じく人集め(^^)に多少時間はかかるが、無事10人ほどの人が集まってスタートである....

 さすがに話しはじめは口調も固く、かなり緊張気味。でも話している内容は分かりやすいし、聞いていて聞き苦しい点もない。“お、意外とうまいやんか”心の中で思わずつぶやく。そして話しているうちに多少緊張も取れてきたのか、より良い感じになる。用意してきたパネルを使ったり、その場所にある足跡化石のレプリカを示しながらの説明は、初めてとは思えないくらいだ。

 正直なところ、この企画の話を最初に聞いたとき(去年の終わりごろだが)“お、良い企画だね〜”と思った反面、“専門の勉強してきたわけでもなく、また喋るほうについてもナレーターの講習を受けてきたわけでもないし、果たして大丈夫かなぁ”と思ったのも事実。でもそんな勝手な心配をよそに、実際にはなかなかうまいものだ。

 時折、話の進め方を反芻するかのように詰まる時もあったが、博物館に展示されているレプリカをいくつも指し示したりして、足跡化石の概要から、通常の化石ではない足跡化石が学術的にどのような意味を持つか、そして足跡化石がどのような過程で残されていくのかまで、本当に分かりやすく解説していた。私自身が勉強になった(^o^)。

 一通りの説明が終わった後、フロアートーク同様、お客さんからの質問も受け付ける。専門の勉強をしてきたわけでないインストラクターのみんなにとっては、この質問を受け付けるというところが緊張の原因なのだろうけど、今回は無難に説明できていたように思う。


川那部館長
川那部館長によるフロアートーク。静かな語り口調とおいしい魚の話が印象的でした。
 インストラクターを束ねるMさんも様子を見に来ていたのだが、思わず「結構うまいですねぇ」というと、「そうなんですよ。初日の二人もうまくて」と皆の予想以上、期待以上にこなしているようだ。フロアートーク終了直後、学芸員のSさんが「間に合わなかったか〜」と駆けつけてところに「良かったですよ」というと、「フロアートークが負けちゃうかもな〜」なんて言われていたが、ホント、フロアートークに負けないくらい。

 話し終えた今回担当のNさんに「よかったよ〜」というと「そうですかぁ?」なんて言っていたけど、ホントにホント良かったんだってば。もちろん、もうちょっと余裕が出たら良いんだろうけど、最初にしてはなかなかのものだったと思う。

 で、最初の「インストラクターと語ろう」を終えて、その後30分もすれば、こちらは本家本元のフロアートーク(^_^)。今日は、なんと館長!である。館長も質問コーナーで来館者の質問に答え、フロアートークも行うとは聞いていたが、私自身が博物館に赴く日と合うことがなかったため、今まで聞いたことがなかった。

 そんなわけでやっぱりちょっとは聞いてみたい衝動が抑えられず、なんだかんだ(^_^;)の合間を縫って聞きに行く。開始時間から少々遅れて水族展示に行くと、すでにホンモロコの水槽の前では10人くらいの人が館長の話に聞き入っていた。語り口調は静かで、ちょっと離れたところにいると耳をおったてて聞かないと聞こえないくらいだが、モロコの数の増減の原因について余談も含めながら分かり易く話されていた。


インストラクターと語ろう2
ホタルダス展示横のこの蛇口のところで、本当に水が飲めるとは....多くの人が参加されてました。
 さらに3時過ぎには再び「インストラクターと語ろう」。今度はC展示室ホタルダスについてのものだ。こちらも遅れて行って、ちょっとだけしか聞いてないのだが、やっぱりなかなか良い。しどろもどろになるようなことはなく、最後には「水比べ」という話で実際にお客さんに水を比較して飲んでもらうところまでやっていた。

 お客さんが場所を移動する際には、結構「こちらへ」と言っても行かない人が多いもんだが、聴衆者の多くが実際にその場所へ移動して水を飲み比べていた。っていうか、そこの蛇口って、本当に水が飲めたのね、知らなかったです、はい(^_^;)。ホント、博物館の中、まだまだ知らないこと多すぎます....でも、自分たちのトークをするのに工夫して色々考えているんだなぁ、って思わせるものでした。

 というわけで、新しい企画「インストラクターと語ろう」をちょっとばかり紹介してみましたが、フロアートーク同様なかなか良い企画なので、ぜひ平日に琵琶湖博物館に来る人は聞いていって欲しいと思います。ナレーターコンパニオンが説明するのとは一味違う素朴な手作りの味が魅力ですよ(^_-)







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