Hotori Title 2

Vol. 32

97. 9. 3 (Wed)



0903-4
朝、博物館の情報利用室に行くと、またまた怪しいものが...図書の人たちが、こういう動物のお面の本から切り抜いて作ったものでした。
 夏休みも終わり、博物館には再び静寂が....ってほどじゃないにしても、多少は落ち着いた雰囲気を取り戻した感じである。何故か今日も小学生らしき団体がいたのだが、先週までの子供たちの歓声で館内がざわめいているという感じはなくなった。なんとなくホッとするという感じ。あの賑やかな感じも決して悪くないんだけど(と、たまにしか来ないで、お客さんに直接接する機会の少ない私はそう思うのだが)、やはりこの方が博物館らしい。

 情報利用室も夏休みの間は、朝から閉館直前まで子供たちがひっきりなしに「みぞっこ探検」や「化石を探そう」といったゲーム性の高いソフトをやっていて、まるでゲームセンターの雰囲気もあったが、今日はホントに静かだ。大人の方が静かに琵琶湖にまつわるビデオムービーをゆっくり見れる雰囲気になった。



0903-2
本には作り方以外に“使い方”も書いてあって大爆笑。このサメのお面の使い方には被ったところの写真以外に、「獲物を狙うように突撃しましょう」みたいなことも書いてあります。
 思わず「平和だね〜」と言ってしまいたくなる(笑)。子供たちはまさにゲームセンターやファミコンよろしく操作するので、トラックボールやボタンが頻繁に壊れてしまうのだ。それがなくなっただけでも助かるといえば助かる。まぁ、子供たちの中には、友達がボタンをファミコン・パッドと同じように連打するのを見て、「そんなふうにしたら壊れちゃうよ」なんて注意する子もいて、それを聞いたときには「あぁ、こんな分かってる小学生もいるんだなぁ」と思わず感動してしまった(^_^;)。

 もうすぐ開館から1年、情報利用室のソフトウェアもできれば、そろそろ全面的に見直してみたい部分もある。懸案の公式ホームページもそうなのだが、「したい」と「できる」がなかなか一致しないから難しいけれど....ソフトウェアの動作が鈍いのが、子供たちに連打される原因ではあるけれど、ほとんどのソフトはディレクターを使っているから仕方ないんだけどね。なかなか悩ましい。



0903-18
知事様御一行。これ以上は近寄れず....気の弱い私(笑)
 とかなんとか思いつつ仕事をしていると、今日は県知事さんが来館されるという話を聞いた。三重県と岐阜県の知事さんも一緒だということらしい。なんでも1時間の予定ということを聞いて思わず「バスツアーの団体さんと一緒で駆け足見学だな〜」と言ってしまったが、まぁ知事ともなれば仕方ないことなのだろう。

 夕方近くに予定より大きく遅れて到着・見学されていったが、ちょっとしたイベントだしデジカメの写真にでも納めておくかと思って、インストラクターに「知事さん、もう来たの?」とか「知事さん、もう帰っちゃった?」とか頻繁に聞きまくっていたので、またまた馬鹿なことをやっているヤツと思われたことだろう(苦笑)。ま、いいけど。

 肝心の写真の方は、遠目から一枚撮っただけだった。なにせ、お付きの人は多いし、学芸員さんもたくさんついて回っていたから、私なんぞがうろつきまわれる雰囲気はなかった(って、当たり前)。まぁ、学芸員さんにも「また、奴は何やってんだか」と思われたに違いない(苦笑*2)。こちらの方は“ま、いいけど”とは言えないが(^_^;;;



0903-11
布谷学芸員によるフロアートーク。拡声器なしに静かに話されていましたが、十数人の方々が聞き入っていました。
 で、話は変わって、フロアートーク。夏休みも終わってフロアートークの方もまた人が集まりにくくなってしまっているかと思いきや、今日も割と盛況だった。布谷学芸員による「灰小屋の利用」についての解説で、割と地味な部類の展示についてだったのだけど、熱心に聞いている人が多かったように思う。

 ちょうどフロアートークの場所が、琵琶湖博物館の一つの目玉である富江家の展示(昭和30年代の生活の再現として、実際に使われていた家をそのまま移設したというもの)のところだったのだが、単に当時の生活様式を再現するだけでなく、今と違って当時は色々なものを再利用して「捨てるものがない」という生活だったということ、そして「里山」と呼ばれる人家近くの林に人手が入っていて(薪を取るとか)、そのために里山が保たれていたことなどを、展示全体として表現しているのだと聞いて、思わず「なるほど〜」と思ってしまった。

 そう言えば、以前ここでフロアートークをしていた嘉田学芸員や脇田学芸員も同じようなことを強調していたのを思い出した。開館当初の企画展が「里山」の写真展だったり、博物館の広報誌「うみんど」にもそのことが載っていたが、説明そのものは分かっていても、それを展示として、博物館の一つのアピールとして強調する意味がなかなか分かっていなかった私だけど、何度となく聞いているうちに、その意味がやっと分かりかけてきたする。



0903-17
C展示室2Fの目玉展示「富江家」。ある年代の人たちは、ここに来ると「昔はこんなのだったねぇ」と必ず言いながら見学されます(^_^)
 以前にも何度も書いているように、仕事の関係上、博物館に頻繁に来ている割には、そんなにしっかりと展示を見学したことのない私は、やっぱり展示内容の本当の意味が分かってないと思うのだった。館内案内のソフトを作ったから、どこに何がある、ということは分かっているけれど。

 そう思うと、来館者の人にとっても、博物館の本当の意味を知ってもらうためには、何度か足を運んでもらうことが必要なのかもしれない。「また来たくなるところ」という点においては、それなりにクリアーしている博物館であり施設だと思う。入場料も安いしね。近郊に住んでいる人は、すでに何回か足を運んでもらっている人も結構いるに違いない。

 開館して1年。これから博物館が本当にその意義を発するためには、そういうことを来館者に知ってもらう必要もあるのではないかなぁ、と自分を省みて思った今日のフロアートークなのでした....







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