Hotori Title 2

Vol. 1

96.10.22 (Tue)



 小春日和というには、少々早くそして暑い今日。目の前の青い(とは言い切れないけど :-)湖と青い空。そして対岸には比叡山から比良に連なる山並みが見える。

 そんな芝生の上のベンチで、遅い昼食をたべ、これを書いている。

 2年半、色々な形で携わってきた琵琶湖博物館が後ろに建っている。

晴れた日は本当に良い景色です。琵琶湖が目の前に広がり、その先には比叡、比良山系が連なり、南側は大津まで見通せます。
 日曜の正式開館の2日前の開館式典が実質の開館だった。それまでの1週間は実際言葉にすることは不可能くらいの状況だった。自分で自分のやったことに満足することはないけれど、今回の仕事は直前まで決まらないことも多く、資料の提供が開館直前であったことを考えると、とりあえず自分を褒めてやりたい気分(^_^;)。

 博物館は幸いにして、秋篠宮夫妻を迎えての開館式典、シンポジウム、内覧会を経て、日曜の正式開館には1万3千人の人が来館した。その後も平日ながら1日4千人の人が来館している。そして今日も多くの人が来館している。小中学校の遠足、家族連れ、学生カップル、お年寄りの仲良しグループ。平日なのに意外にカップルや家族連れが多い。

 本当にいいところだと思う。博物館と言いつつ、水族館も統合されている展示内容も悪くないが、そのロケーションを私は高く評価したい。滋賀県に博物館を、観光地を作るなら、ここしかないというところ。


琵琶湖博物館のウリの1つ「水族展示」の中でも一番人気のところ。大きな水槽の中をくぐり抜ける水中トンネル風になっています。休日は身動きとれないほど。
 そんなに利便性は良くないけれど、琵琶湖に突き出た人口半島の小高い丘の上。秋のさわやかな空気の中のこの瞬間は、まさにピクニック気分。そして比叡山に陽が暮れていく瞬間は、湖畔を恋人たちのための時間として演出してくれる。そんなクサいコピーが似合うところ。

 潮の匂いがしないのは、波の音がしないのは、仕方ないけれど、この海のない県では、ここしかない。そんなところ。まだ建物が完成してない頃から何回か来ているが、本当にそう思う。

 いくつかの展示に関わっているが、開館後に時々来てはメンテしているのが情報利用室。最新鋭のマックをベースに館内案内、MPEG2のビデオライブラリ、各展示室のDirectorムービーを見てさわることができる。こんなところにも意外に多くの人が来て楽しんでくれている。今日は12ブースあるところが、常にほとんど埋まっている。実際に分かって使ってもらっているのかどうかは分からないけど(^_^;)、ゴチャゴチャやってくれているだけで嬉しい。2人がけの半個室的なシートは、カップルの良い場所かもしれない。時々、恋人が寄り添ってうたた寝している(^o^)。


琵琶湖博物館のコンセプトが如実に表れているものの1つ「ディスカバリー・ルーム」。子供たちが遊んで親しんでもらえることを目的としたところ。
 博物館が完成したといっても、情報関係のシステムはまだまだ完成していない(インフラ関係も含めて遅れている)。そしてこれから,週に1〜2度は博物館へ来て、メンテナンスもしなければならない。博物館へ来るときは朝5時起きで辛いけど、いつも会社でコンピューターとにらめっこしている私には、気分転換になって決して悪くない。それどころか結構楽しかったりする。自分の作ったもの、自分の知っている人たちが作ったもの、それらを来館者の人たちが触って楽しんでもらっているのを見るだけで嬉しい。

 やっぱり「創る」ということは、最大限自分を刺激し、その完成は自分の達成感と満足感を充足してくれる。何日も徹夜しようと、会社に泊り込みであろうと、何十時間連続で起きているような状況になろうと、その思いを感じる代償とすれば、極めて安いものかもしれない。


 また1つ、忘れかけていたものを再発見した気がする。






 
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